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キャリアガイド

世界銀行は、様々な貧困問題に取り組むプロフェッショナルが世界中から集まる国際機関です。世界銀行が求めているのは「高度な専門知識」、「戦略的思考」、「行動力」、「コミュニケーション能力」、「リーダーシップ」を兼ね備えた開発プロフェッショナルです。世界銀行では、、開発問題に取り組む多国籍のスタッフと互いに切磋琢磨しながら、国際開発の第一線で、開発途上国の貧困削減のために自分の専門知識・技術を生かして貢献するチャンスに出会えます。

求められる資質・能力

世界銀行の業務には、途上国の開発問題に関連する特定分野において、大学院レベルでの学業・研究や、実務経験を通して得た高度な専門知識・技術が必要とされます。また、開発問題に関する幅広い知識や政策レベルでの国際的な職務経験、もしくは、民間セクターでの職務経験も、世界銀行に新しい経験や知識をもたらすという点で高く評価されています。その他には、国際的な環境やチームで働くためのコミュニケーション能力を持っていることが重要です。さらに、英語に加え、アラビア語、中国語、フランス語、ポルトガル語、ロシア語やスペイン語も仕事に応じて、必要とされることがあります。

一般的に世界銀行のスタッフには次のような資質・能力が求められます。

  • 大学院レベルでの学位(開発に関連する学術分野、最低でも修士号が必要)
  • 高度な専門知識・技術
  • 政策分析・対話能力
  • 開発問題に対する幅広い知識・情熱
  • 関連分野における実務経験
  • 強い知的好奇心
  • 優れた戦略的思考・行動力
  • 強いリーダーシップ
  • チームワーク
  • 顧客志向
  • 高度なコミュニケーション能力
  • 柔軟性・多様性

専門分野と仕事内容

世銀スタッフに求められる資質で最も重視されるものは高度な専門知識と技術です。世銀スタッフには自分の専門分野を確立し、さらにその専門を追求していくことが期待されています。世界銀行が国際開発のスペシャリスト集団と見なされている所以はこの点にあります。ただし、世界銀行で求められる専門知識・技術は必ずしも学術研究・教育のみによって培われるものではなく、実務経験を通して専門知識・技術の実践性を高めることが必要とされます。世銀で求められる水準の専門知識・技術を習得するには、長い年月の自らの努力が求められます。すなわち、その努力を支えるだけの国際開発に対する情熱が必要だといえるでしょう。

途上国の開発における課題はさまざまな分野に亘るため、世銀スタッフの専門分野と仕事の内容も多種多様です。全てのスタッフの仕事を網羅することは到底できませんが、以下に、実際のスタッフのプロフィールを参考に、典型的な大学院での専攻、主な専門分野と仕事内容をご紹介します。

金融・民間セクター開発スペシャリスト

  • 専攻:経済学、経営学(MBA)、金融
  • 途上国の金融・民間セクター開発に関する研究部門に所属。国際・国内金融に関する問題について途上国政府にアドバイスを行う。

アフリカ経済スペシャリスト

  • 専攻:マクロ経済学、ミクロ経済学
  • アフリカ局に所属する主席エコノミスト。アフリカ各国の経済状況を分析し、アフリカ地域全体・および各国に対する世銀の開発戦略策定を主導する。

農業・地方開発スペシャリスト

  • 専攻:経済学・経営学(MBA)、農学
  • 農業・地域開発局のマネジャー。地方開発、農業開発、自然資源管理を目的として世界規模で展開するプログラム(Global Program)を指揮する。

HIV・エイズ対策スペシャリスト

  • 専攻:医学(免疫学)、公衆衛生
  • HIV/エイズの撲滅を目的として世界規模で展開するプログラム(Global Program)のディレクター。

ガバナンス(政府の統治能力全般)・公共財政管理スペシャリスト

  • 専攻:行政学、政治学、会計学、法学、公共経済学
  • 公共セクター・ガバナンスグループ・ディレクター。途上国の公務員制度、税制、政府の歳出管理、地方分権、法制度、汚職防止などの改革に関する分析やプロジェクトの運営を行う。

カーボン・ファイナンススペシャリスト

  • 専攻:資源経済学、ファイナンス
  • 国際金融公社(IFC)のカーボン・ファイナンス・グループ責任者。途上国で行われる温暖化ガスの排出削減プロジェクトから得られる排出権をクレジット(信用貸し)という形で購入し、出資者(先進国の企業等)に対して排出権を販売するため金融商品の開発・運用を行う。

教育スペシャリスト

  • 専攻:教育経済学、教育政策、教育行政
  • 人間開発(Human Development)部門所属、教育担当ディレクター。教育に対する途上国の家計支出や、途上国の教育と貧困・経済開発の関連性に関する研究するチームの指揮を行う。

ジェンダー問題(社会的性差別の問題)スペシャリスト

  • 専攻:社会心理学、社会学
  • 貧困削減・経済管理部門のジェンダーと開発担当ディレクター。ジェンダー問題が開発に及ぼす影響に関する研究の指揮を行う。

水資源開発スペシャリスト

  • 専攻:環境経済学、土木工学
  • エネルギー・交通・水開発部門所属。水力発電用ダムおよび多目的ダムの開発・修復に関するプロジェクトの計画作りや進捗状況の監督を行う。また、ダム建設に関わる受益者の便益の配分や、下流域の水資源に対する影響の分析を行う。

石油・ガス・鉱業・化学工業スペシャリスト

  • 専攻:経営学(MBA)
  • 国際金融公社(IFC)の石油・ガス・鉱業・化学分野のプロジェクトに対する融資を行う部門のディレクター。

貧困削減政策スペシャリスト

  • 専攻:開発・経済政策学
  • 貧困削減・経済管理部門・貧困削減グループ所属。貧困層に配慮した経済成長戦略に関する途上国間の比較分析などを行う。

脆弱国家の開発、紛争後の復興(ポスト・コンフリクト)支援スペシャリスト

  • 専攻:経済学、経営学(MBA)、社会学、人類学
  • アフリカ、中近東、南アジア地域などにおける脆弱国家、および紛争によって影響を受けた国家に対する開発、復興支援のプロジェクトを計画、監督する。

社会保障制度スペシャリスト

  • 専攻:労働経済学
  • 人間開発(Human Development)部門所属、児童労働問題、年金などの社会保険制度、障害者支援などの政策に関する研究などを行う社会保護・労働担当部署のディレクター。

国際貿易スペシャリスト

  • 専攻:マクロ経済学
  • 貧困削減・経済管理部門所属、貿易担当ディレクター。多国間貿易システム(WTO)、貿易政策と国家間の競争などに関する研究を行う。

防災・災害復旧スペシャリスト

  • 専攻:土木工学
  • 途上国における自然災害軽減・復旧を目的とした基金のマネジャー。世銀の自然災害予防プログラムの実施に対し戦略面・政策面でのアドバイスを行う。

交通スペシャリスト

  • 専攻:土木工学、行政学、交通経済学
  • エネルギー・交通・水開発部門の交通担当マネジャー。港湾開発計画などの立案、および交通行政・管理に関する経済、財務、組織面の分析を行う。

財務管理スペシャリスト

  • 専攻:経済学、金融
  • 世銀グループの最高財務責任者(CFO)。世銀グループの財務面での健全性・安定性の確保全般に責任を持つ。また、新しい金融商品の開発や、中進国への融資条件の改革などを指揮する。

詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

世界銀行で働くには?

世界銀行スタッフの採用タイプは大きく分けて、空席ポストに応じて各部門・部署から直接採用されるものと、人事部によって採用されるプログラムの二つがあります。世銀スタッフには、即戦力として活躍することが期待されるため、空席ポストの多くが中途採用を対象としていて、大学・大学院新卒を対象にした空席ポストの数は限られています。世界銀行で最初に入るのは、短期契約のコンサルタントとして働き始め、そこから1~2年の契約期間のコンサルタントや正規のスタッフ(現在は全て期限付き採用)としてのポジションを得ていくという形が一般的ですが、20代、30代(32歳以下)の方には、ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)プログラム、ジュニア・プロフェッショナル・アソシエイツ(JPA)・プログラム、インターンシップ・プログラムという採用制度があります。

なお、IFC(国際金融公社)は上記のプログラムとは別に、「投融資アナリスト・プログラム」、「夏季インターンシップ・プログラム」、「グローバル・トランザクション・プログラム(GTTプログラム)」、「ミッドキャリア・プログラム」といった独自の採用プログラムを展開しています。IFCの日本語サイトに詳しい採用情報が掲載されていますので、ご覧ください。

直接採用:常時、世銀サイトの採用ページ(こちら)にて空席ポスト案内を提示しています。

ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)

ヤング・プロフェッショナル・プログラムとは?

  • ヤング・プロフェッショナル・プログラムは、国際開発に対して情熱を持った、将来、世界銀行のリーダーとして活躍を期待される若い方達を対象にしています。
  • ヤング・プロフェッショナル・プログラムは、世界銀行の業務に関連した分野(経済、金融、教育、公衆衛生、エンジニア、都市計画、自然資源管理など)における高度な専門知識・技術と資格を持った若い方達のためのプログラムです。このプログラムに選ばれるには、開発に対するコミットメント、優秀な学業成績、専門性、リーダーシップを兼ね備えていることが求められています。

ヤング・プロフェッショナル・プログラムの応募資格は?

  • 応募時点で32歳以下であること
  • 修士号か同等の学歴を持っていること
  • 英語で仕事ができること
  • 世界銀行の業務に関連した分野(経済、金融、教育、公衆衛生、エンジニア、都市計画、自然資源管理など)の専門性を持っていること
  • 専門分野の職業経験、あるいは、博士課程のレベルでの学問の専門性を持っていること

ヤング・プロフェッショナル・プログラムによる採用選考には以下の基準が用いられます。

  • 国際開発に対するコミットメントと情熱
  • 優れた学業成績
  • 高度な専門的知識と経験
  • 国際機関で働くために適したチーム・リーダーシップスキル
  • 開発途上国での経験
  • 開発途上国で用いられる英語以外の言語の知識
  • 柔軟性を持ち、様々な分野で働く能力
  • 貧困問題をよりよく理解しようとする意思
  • 途上国に赴任して仕事をする用意

ヤング・プロフェッショナル・プログラムの応募方法

  • 毎年、5月1日から6月30日の期間に、応募書類をインターネット上で送ることによって応募することができます。

ヤング・プロフェッショナルの選考プロセスについて

  • ヤング・プロフェッショナルは、毎年、40から50名ほどの枠に世界中から10,000人以上の応募者があります。選考は以下のような厳密なプロセスによって行われます。

ヤング・プロフェッショナル・プログラムは、どのような機会を提供してくれるの?

  • ヤング・プロフェッショナル・プログラムに選ばれた方は、ヤング・プロフェッショナルとして、2年間、世界銀行で様々な経験を積みます。チーム・メンバーとして部署に所属し、仕事をすることとなります。
  • ヤング・プロフェッショナルは、2年間のプログラムの期間、開発途上国に出張にいくこともあります。
  • また、様々なトレーニングやセミナーに参加する機会も提供されます。
  • ヤング・プロフェッショナルは、2年間のプログラムの終了後、業務実績・態度に特別な問題がない限り、継続し世界銀行で勤務することが期待されます。

ヤング・プロフェッショナルに求められる人材資質とは?

  • ヤング・プロフェッショナル・プログラムは、右の図のように、アルファベットの「T」型のスキルを持った人材資質を求めています。まず、T字の縦軸に当たる「特定の分野に関する専門性」(Technical Depth)、博士号を持つスタッフが大勢いることからわかるとおり、世銀では専門性の深さが大変重視されています。
  • この縦軸と並んで重視されるのが、2本の横軸、①Technical Breadthと、②Client Engagement and Team Skillsです。縦軸が示すのは、世銀スタッフには、専門領域に精通していることに加え、開発という行為を俯瞰的に見通す広い視座を持つ必要があり、かつ、その視座を支える、多分野に亘る知識を幅広く備えている人材を求めていることを示しています。
  • ②の横軸は、互いの文化・価値観の違いを尊重しつつ、相手と信頼関係を構築しつつ、共通の目標に向かって関係者を纏めていく能力が求められていることを示しています。これは、世銀スタッフの主な仕事相手が途上国政府機関関係者であること、また、世界各地から集まる多国籍のメンバーでチームを構成して仕事を行うためです。
  • すなわち、技術面だけのスキルではなく、世界銀行の仕事に大切なクライアントと取り組む能力やチームワークやリーダーシップのスキル、そして全体像を見ることができる能力を持った人材資質を求めています。

詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

ジュニア・プロフェッショナル・プログラム(JPOプログラム)

日本人対象(2009年新設)
JPOプログラムとは?

  • JPOプログラムは、将来正規の国際公務員を志望する若手日本人のために、一定期間、各国際機関で職員として勤務することにより、国際機関における正規職員となるために必要な知識・経験を積む機会を日本政府が提供するものです。
  • これまで、JPOの派遣は外務省が派遣取り決めを結んでいる国際機関(UNDP、UNICEF、UNHCR、WFP、UNEP、FAO、WHO等)が対象であり、世界銀行は派遣対象ではありませんでしたが、世界銀行と日本政府は、2009年より、日本人を対象とするJPOプログラムを開始しました。なお、世銀JPOプログラムは外務省が取り扱っている国連JPO制度とは異なります。(外務省の国連JPOプログラムを通しては、世銀JPOプログラムには応募できませんので、ご注意ください)

JPOプログラムの応募資格は?

  • 今年秋の採用時に32歳以下(ただし30歳以下を優先的に考慮します)で、世界銀行の業務に関係の深い分野に関連する修士号以上および2年以上の職務経験を有し、英語で職務遂行可能な、日本国籍を持つ人が対象です。
  • 採用人数は毎年4名程度で、あらかじめ募集するポジションとその業務概要(TOR)を公表し、各ポジションに対して募集を行います。勤務先は基本的に途上国駐在の世界銀行事務所です。勤務期間は1年で、さらに1−2年の延長が可能です。
  • なお、JPOは派遣期間終了後、引き続き正規の世銀職員として採用されることが期待されますが、自動的に正規職員になることが保証されるものではありません。勤務終了後に正規職員となるためには、通常の手続きに従って空席ポストに応募して採用される必要があります。

詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

ジュニア・プロフェッショナル・アソシエイツ・プログラム(JPAプログラム)

JPAプログラムとは?

  • 2年間、世界銀行のエントリーレベルで仕事ができるプログラムです。数量的および質的分析能力、リサーチ能力を使いながら、世界銀行のシニア・レベルのスタッフと仕事をすることができます。新しい知識や能力を身につけることができ、開発や貧困削減のチャレンジを直接体験することができます。
  • ただし、JPAプログラムの終了後、2年間は正規職員やコンサルタントとして世界銀行との契約を更新することはできません。JPAの2年間で得た経験を政府機関、コンサルティング、民間セクター、大学などで活かすことが期待されています。

ジュニア・プロフェッショナル・アソシエイツ・プログラムの応募資格は?

  • 年齢は、28歳以下、学士号か修士号を取得しているか、博士課程の後期課程に在籍していること
  • 経済、金融、人間開発(公衆衛生、教育、栄養、人口、社会保護)、人類学、社会学、農業、環境、民間セクター開発などの分野の専門を持ち、分析力、リサーチ力に優れていること
  • 英語だけでなく、できれば、フランス語、スペイン語、ロシア語、アラビア語、ポルトガル語、中国語などの言語が一つできることが望ましい
  • ポジションは、世界銀行本部だけでなく、途上国にある世界銀行の事務所の可能性もあります

ジュニア・プロフェッショナル・アソシエイツ・プログラムの応募方法

  • 1年中を通じて、こちらのサイトからこのプログラムに応募することが可能です。

詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

インターンシップ・プログラム

インターンシップ・プログラムとは?

  • 世界銀行では、大学院(修士課程・博士課程)に在籍中の学生に対して、インターンシップ・プログラムを提供しています。経済、金融、人間開発(公衆衛生、教育、栄養、人口、社会保護)、人類学、社会学、農業、環境、民間セクター開発などの分野の専門を持ち、英語力が要求されます。世界銀行の業務に適した職業経験やコンピュータ・スキルがあると利点となります。また、フランス語、スペイン語、ロシア語、アラビア語、ポルトガル語、中国語ができると有利です。 インターンには、給料が支払われ、旅費も支給されます。ほとんどのポジションは、ワシントンDCの勤務になります。インターンシップは、最短でも4週間、働くことになっています。世界銀行のインターンシップ・プログラムは、夏と冬に実施されています。

    夏(6月から9月): 応募期間は、毎年、12月1日から1月31日です

    冬(12月から3月): 応募期間は、毎年、9月1日から10月31日です。

  • 応募書類は、インターネットで提出することになっています。

詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

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